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(あぁ〜〜ぁ、やんなっちゃうな〜〜ぁ) 東京で梅雨明けが発表された、この日、ボクは、ミキに銀座へ連れ出されました。 肌が透き撮るように白いミキは、強い日差しが大嫌い。 それはもちろん、白い肌を保つため。 『NO WHITE, NO LIFE』がミキの合い言葉。ミキはイタリアと日本人のハーフですけど、合い言葉は英語です。 ![]() (Canon 40D/シグマ50ミリmacro) でも、この日のミキは、なにか梅雨の鬱憤を晴らすように、ギラギラした銀座を、細くて長い腕と足の素肌を出して、踊るように闊歩しました。 もちろん、外出前にはしっかりとUVケア。 右手には黒いレースの日傘。 あぁ、もちろんボクの右手にです。 開発の進んでいる銀座をミキはウィンドーショッピング、ボクは右手を常に上げている筋トレで楽しみました。 銀座5丁目にさしかかったところで、僕達は、細い路地をみつけました。 その突き当たり。 今にも夕立が降りそうな、ビルのうす暗い陰に囲まれた中、ぼんやりと柔らかいライトが、まるで、1本のロウソクのようにあたりを照らしていました。 そこは、女性服のブティックでした。 明かりは、良く磨かれたショウウィンドーの中から漏れたものでした。 そこに、写ったボクの顔は、まだ、ほんの少ししか歩いていないにもかかわらず、すでに日焼けしていました。 左手をちらりと見ると、日焼けのまっすぐな線がクッキリと焼き込まれていました。 「良さそうじゃない」 ミキは、この店が、気に入ったらしく、ツタツタとお店の中に入っていきました。 ツーーーーン。 ボクの汗ばんだ全ての毛穴という毛穴が、冷房の効き過ぎた店に入って、一気に締まりました。 店は、白で統一された空間で、外の薄暗さとは正反対の明るく、高級なイメージが漂っていました。 「いらっしゃいませ」 レジカウンターに、黒いスーツを着た少し痩せた女性が、すぅと立ちあがり、かるく頭を下げました。 ミキの目がらんらんとしました。 店の照明がミキの目の中に入り、まるで星が輝いているようでした。 「あ〜〜ぁ、いいじゃんこれぇ! この薄いブルー、私っぽい♪ この薄いピンクのワンピースも私っぽい♪ な〜〜んか全部私っぽいかも、このお店♪」 ミキは、薄いピンクのワンピースを鏡の前で合わせながら、くるりと回まわってみせました。 商品を照らすキスポットライトが、ミキ栗色の髪を後ろ側からキラキラと輝かせました。 ボクは、その笑顔を見ただけで、天にも昇る真っ白な気持ちになりました。 (ミキ……、君は、本当に素敵だ……) テレビなら、音声さんが、ほわほわほわ〜〜ん♪と、効果音を付けていたことでしょう。 でも、皆さんに伝えておきたいのが、ミキの素敵さはこれだけじゃありません。 「じゃぁ、わたし、これに決める。あと、これと、これ! じゃぁ、店員さん、お願いします」 ミキは、決断も早いんです。 ボクは、待たされるのが大嫌い。 江戸っ子ですから、せっかちなんです。 きっとミキは、そんなボクの性格を分かってくれていたんだと思います。 店員さんもさすが銀座。 客を待、たせることなく、値段を手早くピゥ、ピゥとレジに打ち込みました。 そして、笑顔で、 「では、お会計、3着で、68万3千円になります」。 え゛!!!!!! う゛ぞ!!!! ボクの目は、今にも落ちそうなぐらい大きくなりました。 そして、急に舌が回らなくなりました。 「ちょぅ、ちょっとまって、チョッうとまて下さいね。ちょぅ、ねぇ、ミキ、ミキさん? ミキさん?」 ミキは、既に店の外。 大股で腕組みをし、体はコチラ側。 でも、顔を横にして、視線を一切合わせようしません。 (いやいやいやいや、これは、さすがに無理ですよ!!!) 今さっきまで、戸締まりバッチリ♪だったボクの毛穴が、一気に全開放! ボクは、値段のことを伝えるため店を勢いよく出ました。 そして、申し訳なさそうに、いや、大変申し訳なく思いながら、 「あぁ、あの〜〜ぉ、ミキさん、いや、ミキさま……」 と頭を下げながら、呟くように言いました。 「なに? もう、買ってきたの? 早いじゃん」 ミキは、腕組みをしながら、少しアゴを上げて、ボクに言いました。 (あ〜〜ぁ、やだなぁ〜〜ぁ。でも、もうコレしかない!!) ボクは、アスファルトに膝をつき『必殺の土下座』をしました。 これぞ『村上流最大奥義土下座の構え』! 日陰であっても夏のアスファルト。 ぬるさが地面から伝わってきました。 そして、勢いよく頭を地面にこすりつけました。 「むぅ、無理です!! さすがに無理です。3着で58万円て、ボクの稼ぎじゃ、無理です!」 泣きました、泣かせていただきました。 タイヤが道路を掻く音とミンミンゼの声が、ボクの耳を左から右へ通り抜けます。 ボクは、ゆ〜〜っくりと頭を上げました。 (あれ? 上がらないよ?) ミキが、ボクの後頭部を、皮のサンダルで、押さえつけていたのです。 「はぁ? もう一回言って見なよ」 (こぅ、こわい!!!) ボクは、生命の危機を感じました。 そして、少し震えました。 この震えは、汗のせいではなく、もっとなにか、奥の方から、湧き出る氷のような冷たさからだったと、今は思います。 「いぃ、いや、全部似合うんだよぉ、ミキちゃんには全部に合うんだよ。だけど、もっと似合うのもあるかもしれないから、ここでは、1着にしようぅ、ねぅ、ねぅ」 「はぁ? だったら、他でもまた買えばいいじゃん」 「えぅ、いや、ほら、右手に日傘持ってるでしょ? だから、そんなに持てないから、ね♪ ここでは1着にしよう。ほら、日傘、持てないと、日焼けしちゃうよぅ。白い肌が、その綺麗な白い肌が焼けちゃってシミになっちゃうよ」 ミキは、大きな舌打ちをすると、ボクの後頭部から足をはずし、また、不機嫌そうに店の中へ入っていきました。 ボクは、ほっと一息。 (でも、良かったぁ。これで許してもらえるなら、安いもんだよ、ほんと) ボクは、安堵の思いで、腰を上げました。 アスファルトには、ボクの汗染みがしっかり残されていました。 ボクは、ミキに遅れて、店の中に入りました。 手際の良いことに(いや良すぎることに)、商品は、全て袋の中に包まれていました。 気まずさを携えながら、ボクは、店員さんに平謝り。 「すぅ、すいません。なんかお待たせして。それで……、実は、ちょっとこの3着、一度試着させていただいて、そこから、何点か選びたいんですけど、よろしいですか? 実は、彼女、まだ試着してないというか……」 「えぇ、そうですよね。わたくしも、試着されなくても良いのかな? って思っておりました。どうぞどうぞ。では、向こうの試着室をお使い下さい」 店員は、嫌な顔を少しもせずに、笑顔で応えてくれました。 ミキは、腕組みしながら視線だけを左下に落とし、いかにも不機嫌そうな態度で、後ろから付いてきました。 「一番高い奴で、いいじゃないの?」 店員さんは、ミキの言葉に、愛想笑い。 ボクは、目を泳がせ苦笑い。 「ミキーーぃ! ミキちゃ〜〜ん! ホラ、早く早く」 ボクは、腕組していたミキのてを持って、試着室の方へと促しました。 そして、店員さんから、既に袋に包んでしまった服を手渡してもらうと、 「ほらほら、ねぅ。試着試着」 と、試着室のカーテンを勢いよく、バゥ!と開けました。 「あっ、お客様! そちらは!」 ![]() (CANON 40D /タムロン28-75 日比谷) ボクは、目が点になりました。 そこには、猫のご婦人がいらっしゃいました。 しかも、裸……。 「キャッ!」 「あぅ、すぅ、すいません!」 ボクは、勢いよくカーテンを閉めました! すると、カーテンを止めていたピンが外れ、逆側が開いてしまいました! あぁ〜〜ぁ、あ〜〜ぁ〜〜ぁ。 「すぅ、すいませ〜〜ん!!!」 ボクは、壊れたカーテンと胸を押さえる猫のご婦人をそのままに、レジカウンターへすっ飛びました。 「こぅ、これ下さい!! 全部下さい! じゃぁ、あと、これも下さい!!」 ボクは、レジ横にかかっていた一番目立つ服のハンガーをごそっと外して、バンとレジにおきました。 「えぇ〜〜わ〜〜た〜〜しぃ〜〜こ〜〜っちのほうが〜〜い〜〜い〜〜な〜〜ぁ」 ミキの声が、いつもより3倍遅く感じます。 つか、いつの間に、横にいた!? 「あぁ、それ? それいいね! それにしよう。それそれ。もういや、もう、全部下さい!! かぅ、かぅ、かぅ、カードで!! 60回払い!!!」 ボクは、カードのサインをさっさと書くと、店員さんの『有り難うございました』も聞かずに、店をあとにしました。 路地を抜け大通りに出たところで、ボクは、買った商品を左手にもちかえ、また黒い日傘をぱっと開き、右手で刺しました。 ミキの笑顔が、ボクの右目のさらに右側に映りました。 「「太っ腹じゃ〜〜ん♪」 そう言うと、ミキは、ボクの右手から黒い傘を奪い取り、自分の右肩にのせると、くるくると回しはじめました。 そして、また、スキップをしているかの様に軽快に歩き始めました。 「まっ、いっかぁ」 ボクは、笑顔で、独り言をいうと、袋を前に両手で持ちながらミキの後を追いかけました。 次の月から5年間、ボクのローンは、毎月1万6千円加算。 それでも、たったそれだけで、ミキの笑顔が見られるなら、安いもの。 きっとね。 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
みけ柄の下着なんて、おされだね♪ |
メイメイ 2008/07/18 05:32 |
イニャ-----(*゚∀゚*)-----ン!!!! |
ten URL 2008/07/18 12:56 |
すごいよね、ちゃ〜さんの文章 |
ひろぶぅ 2008/07/18 16:14 |
☆ヾ( ̄ー ̄ )トントン |
りんちゃん URL 2008/07/18 17:17 |
東京の服はそんなに高いのケ? |
クロコ 2008/07/18 19:16 |
うんうん何よりもみけのご婦人が |
momonyan 2008/07/18 19:55 |
思い出しました! |
アルジン 2008/07/19 09:08 |
ミキはコスプレしないの? |
どれみ URL 2008/07/19 16:46 |
一度でいいから服の値段を見ずに買い物してみたい〜と思ったことがあります。(^_^;) |
月夜 2008/07/19 18:36 |
16000円×12×5=960000 |
kazu 2008/07/19 22:17 |
こんにちは。 |
ムウムウ 2008/07/20 13:28 |
ついつい引き込まれてしまった〜 |
ハル 2008/07/20 21:23 |
めっちゃくちゃ・・・ |
nori2 2008/07/21 00:07 |
ちゃぱすさん、大丈夫?(笑) |
ぽてと 2008/07/21 01:10 |
おつです〜 |
とら母@携帯 2008/07/21 13:11 |
ありゃりゃ〜、この話がフィクションであることを祈る!! |
el-mar 2008/07/21 20:22 |
すんごい写真が綺麗だわっ♪ |
まるこ URL 2008/07/22 10:59 |
すんごい写真が綺麗だわっ♪ |
まるこ URL 2008/07/22 11:00 |
新しい話はまだですか〜(@⌒ο⌒@)b ウフッ |
kitten URL 2008/07/23 23:58 |
∵ゞ(≧ε≦o) |
kuesu 2008/07/25 08:25 |
本当だぁ〜! |
どれみ 2008/07/25 08:47 |
あら?PF写真が変わったんですね〜 |
kitten URL 2008/07/26 22:21 |
ちゃぱすさんイケメンですね! |
しるばにあまま 2008/07/28 20:40 |
鯛超☆彡 |
とら母@携帯 2008/07/29 09:00 |
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